概要
看護学科のご案内
教育の目的
人間理解を深め、多様化する社会のニーズに応えることのできる専門的な看護力を養成します。また、将来にわたり自らの資質向上をめざすための基礎的能力を養成します。
独自カリキュラム
将来の幅広い職業選択(看護師・保健師・助産師)が出来るよう、選択科目を多くし、学生の希望に沿った履修を可能にしています。さらに、学生生活のスタートを学習面で支援する「看護学入門」、社会のニーズに対応した「がん看護学」や「災害看護学」を導入しています。
丁寧な学生支援体制
初年次から、学業面や生活上の指導を、学年主任はじめ、多くの教員がきめ細かく行う体制になっています。また、実践能力の高い医療人を育成すべく、個別相談も含めた実習指導体制になっており、附属病院での臨地実習では、臨床教員の指導を受けながら最新の医療を体験することが出来ます。
修士課程
高度な看護専門職、教育・研究者を育成する2年の大学院課程です。社会人(有職者)が離職することなく就学できるよう夜間開講し、学習環境に配慮しています。
大学院生は、専門性の高い教員による講義や演習、実験・実習などでの直接指導により各自の研究を発展させ、研究成果が専門領域の関連学会等で高く評価され、卒業後、各専門分野で活躍しています。
沿革
1997年4月1日 | 「国立大学の学科及び課程並びに講座及び学科目に関する省令の一部を改正する省令(平成9年文部省令第15号)」により医学部看護学科設置 |
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1997年4月24日 | 第1回医学部看護学科入学式挙行 |
1997年6月23日 | 福井医科大学医学部看護学科開設記念式典挙行 |
1998年4月1日 | 基礎看護学、臨床看護学、地域看護学の各講座開設 |
1999年3月25日 | 看護学科棟(第Ⅰ期工事)竣工 |
2000年2月29日 | 看護学科棟(第Ⅱ期工事)竣工 |
2000年5月23日 | 福井医科大学医学部看護学科棟竣工記念式典挙行 |
2001年4月1日 | 大学院医学系研究科看護学専攻(修士課程)設置 |
2001年4月23日 | 第1回大学院医学系研究科修士課程入学式挙行 |
2001年10月1日 | 旧福井大学と旧福井医科大学が統合 |
2004年4月1日 | 国立大学法人法の施行により国立大学法人福井大学となる |
2007年10月1日 | 看護学科創立10周年記念式典挙行 |
2010年7月31日 | 看護キャリアアアップセンター開設記念事業 |
2014年4月1日 | CNSコース「災害看護学」、「がん看護学」新設 |
2018年4月1日 | CNSコース「老人看護学」新設 |
理念
看護学部の目的・目標と3つの方針<(1)アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)、(2)カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成方針)、(3)ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与に関する方針)>を示します。
アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)
1. 【医学部】の理念
愛と医術で人と社会を健やかに
真理を探究する知への愛―
それは、古代ギリシャの哲学者プラトンや医学の父ヒポクラテスが最も信頼を寄せた愛、すなわち、自分自身の「無知」を自覚し、つねに真理の側へと身を置き、それを不断に求め続けることを自らに課す、極めて厳しい愛です。私たちは、最新の医学・看護学知識や技術を学び、修練すると共に、次世代の医学・看護学を開拓する研究を推進します。
人命を尊重し人間に共感する人への愛―
それは、病に臥していようが無かろうが、日々の生活を営む人々のために自らの知識と知恵を捧げようと志す、徹底した無我の愛です。私たちはその具体的な姿を、福井藩蘭方医、笠原良策(白翁)(1809-1880)に見出します。笠原は、幕末まで死病として恐れられた天然痘の流行を食い止めるため、既存の医学や因習に囚われることなく、常に最先端の医学を探求し続けた「知への愛」の実践者であると同時に、自らの命を賭して種痘の普及と実施に尽力し、人と社会の健康に一生を捧げた人物に他なりません。私たちは、旧福井医科大学学歌に謳われた“杏林愛に芳しき”医療従事者や研究者を育成、輩出し、人と社会を健やかにする事に貢献します。
2. 教育目的・人材育成目標
【医学部】の教育目的
- 福井大学医学部は、理念に基づき、人間形成を基盤に生命尊重を第一義とする医の心の態度を体得するとともに、世界水準の医学および看護学の知識と技能を修得し、地域社会や国際社会で活躍できる医療人および研究者を育成する。
【看護学科】
- 高い倫理観と良識ある人間性を有し、科学的根拠に基づいた看護を実践でき、知識・技能を生涯にわたり修得し続ける高度専門職業人を育成し、看護学の発展と地域社会に貢献することを目的とする。
医学部教育の人材育成目標
【看護学科】
- 高い倫理観・責任感、優れた共感力とコミュニケーション力を備えた患者中心の医療を実践できる臨床医を育成する。
- 医学および関連領域の知識と技能を応用して、医療における高度専門職業人として活躍できる医師・医学研究者を育成する。
- 地域のニーズを踏まえた地域医療を実践できるとともに、グローバルな視点に立って医療の国際化に貢献できる臨床医を育成する。
3. 特色
【看護学科】
将来の職業選択に生かせるよう、選択科目の多い、ゆとりある教育を実施しています。また、医学部附属病院が主な実習病院であることから、最新の医療現場で充実した看護を学べます。
4. 求める学生像
【看護学科】
- 看護に関心を持ち、将来看護職として、地域医療に貢献したいと考える人
- 倫理的感性を有し、人間の尊厳と権利を尊重することができる人
- グローバル化が進展する社会に関心をもつことができる人
- 基礎学力の上にたって、人と地域社会に関心をもって学習に臨める人
- 協調性がありコミュニケーション能力のある人
- 誠実な心を持ち、主体的で意欲のある人
5. 入学者選抜の基本方針
【看護学科】
「求める学生像」にふさわしい者を選抜するため、多様な観点から受験者の学力や資質を評価します。また、全ての試験に面接を課し、看護を学ぶ意欲・積極性・表現力・協調性・一般的態度を評価することにより、アドミッション・ポリシーに沿った入学者選抜に努めています。
1. 一般入試(前期日程・後期日程)
高等学校卒業者及び同等以上の学力があると認めた者に対し、大学入試センター試験、個別学力検査及び面接並びに調査書の内容を総合して選抜します。
大学入試センター試験では高等学校等での教科面における学習達成度を評価します。個別学力検査及び面接では、看護を学ぶための適性を総合的に評価するとともに、調査書により受験者の資質を評価します。
2. 特別入試(推薦入試Ⅰ)
人物、学力ともに優秀で健康であると高等学校長から推薦された高等学校卒業見込者に対し、個別学力検査及び面接並びに調査書等の内容を総合して選抜します。個別学力検査及び面接では、看護を学ぶための適性を総合的に評価するとともに、調査書により受験者の資質を評価します。
カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成・実施の方針)
医学部看護学科では、理念・教育目的・人材育成目標に基づき、卒業時に達成する学修成果を「アウトカム」として掲げ、それらを達成するのに必要な能力を「コンピテンシー」として設定しています。コンピテンシーを修得するために必要な体系的な教育課程を編成・実施します。
具体的な教育課程の編成・実施は以下のとおりです。
- 本邦における看護学教育の指針である「看護学教育モデル・コア・カリキュラム」、「看護学士課程教育におけるコアコンピテンシーと卒業時到達目標」、「大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準 看護学分野」及び「保健師助産師看護師学校養成所指定規則」を参考に独自のカリキュラムを編成します。
- 本学の共通・教養教育の理念に基づき、医療人としてふさわしい良識・教養を養うための共通教育科目を編成します。
- 看護のプロフェッショナル(高度専門職業人)として倫理的であるために必要な能力と、生涯にわたり自発的にキャリア開発を継続する基本的能力を涵養するカリキュラムを編成します。
- 専門基礎科目と専門科目を関連づけて学習できるようにカリキュラムを編成します。
- 自ら学ぶ意欲とリサーチマインドを涵養するために、1年次から4年次まで看護学研究を体験する機会を設けます。
- 臨地実習は、各看護学領域において対象者を多面的にアセスメントし、科学的根拠に基づいた看護計画を立案・実践できる実習とします。
- グローカルな視点で地域社会のニーズに対応できるよう、1年次から4年次まで発展的に学ぶカリキュラムを編成します。
- 看護師国家試験受験資格に加えて、保健師/助産師国家試験受験資格(選択制)を満たす統合カリキュラムを編成します。
- 各科目は、予め定められた評価方法に基づき、厳格に成績評価を行います。
- 本学の看護学教育をより良いものとしていくため、カリキュラムの評価と検証を行い、継続的に改善します。
ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)
医学部看護学科では、理念・教育目的・人材育成目標に基づき、看護学科生が卒業時に達成すべき学修成果を「アウトカム」(3項目)として掲げ、それらを達成するために4年間で修得すべき能力を「コンピテンシー」(大領域8項目、小領域34項目)として設定しています。
所定の期間在学し、カリキュラム・ポリシーに沿って設定した授業科目を履修し、履修規定で定められた卒業に必要な単位・時間数を修得し、知識・技能・態度の評価において、コンピテンシーで定められた能力を修得しアウトカムを達成したと認めたものに学位を授与します。
アウトカム
1.医療人としての態度
生命と人間の尊重を第一義とする倫理観・責任感と、良識ある人間性を有し、医療・保健・福祉チームの構成員として、共感力、多様性とコミュニケーション力を備えた対象者中心の看護を実践できる。
2.医療人としての知識・技能
医療・保健・福祉分野における高度専門職業人として、看護学及び関連領域の知識と技能を応用して、科学的根拠に基づいた適切なヒューマンケアを実践できるとともに、日々進歩する医学・看護学的知識・技能を、生涯に渡って学修することができる。
3.医療人としての地域性・国際性
地域(特にふくい)の社会的ニーズを踏まえた地域医療・ケアを実践できるとともに、グローカルな視点に立ってふくいの地域医療に貢献できる。
コンピテンシー
1.人間性の形成とコミュニケーション
対象者中心の看護を展開するため、人間性の基盤となる教養的知識を有し、共感と多様性に基づく人間関係の構築、適切なコミュニケーションを実践できる。
2.全人的理解とプロフェッショナリズム
対象となる人及び集団の健康、生活、環境を包括的に理解し、医療・保健・福祉における高度専門職業人としての価値観と責任感を有し、礼節ある態度・良識と、自己管理能力をもって行動できる。
3.看護倫理とヒューマンケア
生命と人間の尊重を第一義とする倫理観を持ち、人々の尊厳・権利擁護を考慮し、対象者の意思決定に基づく看護を、敬意をもって実践できる。
4.看護学及び関連領域の知識と根拠に基づいた看護実践
看護学及び関連領域の知識に基づいた看護技術を用いて、身体的、心理・社会的安楽をもたらす、効果的かつ安全な看護を実践できる。
5.特定の健康課題に対応する看護実践
看護の社会的役割を理解し、対象者のライフステージ、健康レベル、特定の健康課題に対応した看護を実践できる。
6.科学的思考と生涯にわたる看護の探求・研鑽
看護学研究の意義を理解し、科学的根拠に基づいた看護実践のため、情報の収集と評価のための論理的・批判的思考ができる。そのために、自ら学ぶ意欲とリサーチマインドを持ち、生涯に渡って学修する基本的能力を有する。
7.多様なケア環境・地域特性と支援チーム体制・協働
対象者の文化的背景、地域特性を考慮した支援チーム構築のため、医療・保健・福祉に関わる人々の役割を認識・理解し、チーム構成員として看護職同士・多職種・地域住民と協働・連携することができる。
8.ふくい看護力
ふくいの風土、医療・保健・福祉の実情、社会的ニーズを踏まえて、ふくいに暮らす生活者の視点に立ち、ふくいの健康課題、へき地での医療課題に対応可能な看護を実践できる。また、学生間で指導・相談対応ができる。
各アウトカム達成に必要な能力をコンピテンシー大領域として定め、拡大領域のもとにさらに具体的な能力としてコンピテンシー小領域を設定しています。