大学教育入門セミナー
本学では2008年4月から、初年次教育のひとつとして「大学教育入門セミナー」という授業を行っています。「大学教育入門セミナー」は、「大学生活の初期段階で、看護学を学ぶにあたって必要な基本的知識と技法を修得する」ことを目的としています。到達目標には、次の3つを挙げています。
- 看護大学で何を学ぶのか理解できる
- 看護大学における具体的な学び方を理解できる
- 看護学生としての基本的マナーを身につける
授業を通して、大学での学び方のスキルを身につけること、そして看護職になることへの心構えを持ち、目標を持って自ら学習に取り組むことを目指しています。
授業内容
授業は1年生の前期に開講し、全部で15コマ(2単位)あります。講義やワークショップ、演習、グループワークなど、いろいろな形式の授業があります。内容は、「大学で何を学ぶのか」そして「大学での学び方」「学生生活の目標と将来について考える」などの内容から構成されています。
回 | 項目 | 内容 |
---|---|---|
1 | 大学で何を学ぶのか | 大学で学ぶことの意味、福井大学の特徴 |
2 | 医学部生としての心構え | 医学部教育の意義と社会的責任、医学部生に必要な礼儀とマナー |
3 | 学生生活について | 学生のメンタルヘルスと支援体制 |
4 | 大学での学び方 | レポートの書き方、文章の書き方 |
5 | 図書館の活用方法 | 情報処理技術、文献検索の方法と活用方法 |
6 | 医学の歴史を知ろう(1) | 西洋の医学史:古代から現代まで |
7 | コミュニケーションの基本(医学科3年と合同講義) | 医師と看護師の役割、接遇の基本、メールの基本 |
8 | 医療従事者としてのコミュニケーション技法(医学生3年との合同講義) | 患者とのコミュニケーション技術 対応の難しい人とのコミュニケーション 医療を受ける人への病状説明の方法 |
9 | 医学部新入生合宿研修 | 精神面(心の悩み等)・生活面(アルコールや薬物等)の自己管理と学生間の交流促進 |
10 | 医学の歴史を知ろう(2) | 日本の医学史:世界における日本人の活躍 |
11 | 医学の歴史を知ろう(3) | 世界と日本の看護師:医学と看護の接点 |
12 | 医療と薬害 | 薬害被害の実態の理解 |
13 | 看護学科のカリキュラムと学習方法、グループワークの方法 | 看護学科の特徴、先輩から学ぶ学習方法、国家試験(看護師・保健師・助産師)対策 |
14 | 卒業後の進路と将来像 | 看護部長・卒業生との交流(ワークショップ) |
15 | まとめ(自己の将来像) | 自己の目標について どのような専門職を目指すか (プレゼンテーション) |
は医学科との合同講義
授業の様子
大学教育入門セミナーの最後には、「看護学生として大学で学んでおくこと」のテーマでグループワークがあります。1グループ6人で、今までの授業内容を踏まえながら、お互いに意見を出し合っていきます。最後の授業では、グループごとに発表しています。
まずは先輩からのメッセージ
グループワークの前に、先輩からのメッセージがあります。
今年は、4年生の先輩が5人来てくれました。それぞれ、勉強、実習、アルバイト、サークル活動とテーマごとに話してくれるので分かりやすいです。実際にこの大学で学んできた先輩の話だから説得力があるし、参考になりそう。
みんな先輩の話に聞き入っています。
グループに分かれてグループワーク
今までにあった5回の授業と、先輩からのメッセージを踏まえて、グループワークを開始します。
テーマは「看護学生として大学で学んでおくこと」。グループには一人ずつファシリテーター(調整役)の先生が入ってくれるから、グループワークに慣れていない1年生でも安心です。
先生とディスカッション
グループワークは、空き時間なども利用して続けていきます。
発表したいことを模造紙やスライドにまとめて、発表原稿を作ります。準備が一通りできたら、グループ担当の先生と発表内容の打ち合わせ。より分かりやすい発表になるように、アドバイスをもらいます。
もうあと一息です。
いよいよ発表会
グループ毎に順番に発表します。
司会、タイムキーパー、照明係も自分たちで行います。今まで頑張って準備してきたものが出せるよう、どのグループも真剣です。聞いているみんなも熱心に聞いています。
どのグループも模造紙やスライドを使って内容が分かりやすくまとめられていて、充実した発表会になりました。
グループワークや発表を通して、いろいろな人の意見に触れることで、自分の考え方や視野に広がりが持てるようになります。またこうした学習を通して、チームワークや協調性が身についていきます。