進路・就職

夢を叶えた先輩たち

山口洋子さん

福井大学大学院修了 看護教員

山口洋子さん

2016年修了/第16期生

質問1日頃の仕事でやりがいを感じていること、大変なことは何ですか?

看護基礎教育のあり方が問われ、毎回、同じ方法で学生指導をするのでは通じないと感じることが多々あり、創意工夫した教育内容や方法を導き出すことに労力を費やします。その解決策は、学生としっかり向き合うことだと思っています。教育の結果、学生が変化し、成長する姿を間近にみられる時に一番やりがいを感じます。また、学生と共に自分自身が成長できる喜びも味わうことができます。

質問2大学院の進学を決めたのはどうしてですか?

看護基礎教育に携わって10年以上経過し、これまでの学生指導の場面を想起しながら「看護とは」「教育とは」と自問自答し、看護教員として役割を果たしてきたのだろうかと思うことが多くなってきました。そこで、大学院で学び、今までの意味付けを行いたいと思いました。また、自分の専門領域である精神看護学について、日頃疑問を抱くことがあり、それを経験知で解釈するのではなく、学問的に追究したいと思ったため、大学院で学ぼうと決心しました。

質問3福井大学に決めたのはどうしてですか?

同じ職場に福井大学大学院を修了した上司や同僚がおり、大学院での学びを、直接見聞きすることができる機会に恵まれていました。そこから、福井大学の魅力を感じ、興味を持ちました。
福井大学では、自分の研究分野を追及する以外にも、多くの学びが得られると思いました。その一つとして、福井県では他にない災害看護専門看護師課程分野があり、最新の情報を得、多くの刺激を受けることができること。また、履修科目以外に研究会が定期的に開催されており、学ぶ環境が充実していると思い、福井大学大学院に入学しようと決めました。

質問4大学院に入ってみてどうでしたか?

仕事風景

講義は、プレゼンテーションと討議形式が多く、自分の考えを発表するには十分な根拠に基づいた知識が必要だと感じました。そのためには文献を読み込み、その知識と自分の臨床や看護基礎教育での経験を重ね合わせ言語化し、他者に伝える能力を磨くように努力しました。討論では他者の意見を大事にしながら自分の意見を述べるアサーティブな自己表現を身に付けることができたと思います。
講義で出会う院生は、臨床経験が豊富で認定看護師資格を有している者、専門看護師を目指す者などが多く、講義以外の時間でもそれぞれの立場から、お互いに臨床現場で感じていること、考えていることを話し合える貴重な場となりました。臨床現場を離れ看護基礎教育に籍を置いている私も、その輪に入り、臨床現場が抱えている問題について情報収集し、また看護基礎教育ではどのようなことを行っているか伝え、看護が発展するにはどうしたらよいか話を弾ませることが出来ました。
研究では、研究者として「何をすべきか」「何を明らかにしたいのか」「看護とは何か」研究の本質を見つめ直し、原点に戻ることが必要であると学びました。そのためには、研究に関係する多くの文献を読み込み、明らかになっていることと、明らかになっていないことを区別すること。また、論理的思考のもと、研究疑問を焦点化し、試みようとしている研究は看護の発展にどのように役立つのかを考え、研究者としての姿勢を正し、真摯に向き合うことが自分に課せられたことであると認識し続けること。しかし、現実は厳しく、焦りが生じ空回りすることが多くありました。迷い悩む己との向き合いが大変辛く、その苦しみを感じながらも、自分は何のために大学院で学んでいるのかと問いかけながら、研究を進めていきました。その結果、自分にとってかけがいのないものを得られました。
研究の過程では、多くの方に支えられてきました。指導教員の存在は、心強く、成人の学習者として指導を頂き、一貫性をもった研究を地道に行うことに意義があると学ぶことが出来ました。

質問5大学院で学んだことは現在のお仕事にどのように生かされていますか?

現在も看護基礎教育に携わっていますが、院生時代に培った、自ら論理的に考えてまとめていく力を学生にも身につけてもらえるような教授活動を考え、その評価を行い、質の高い教育を目指すように心がけています。そのためには、批判的思考を持ち続けることを意識しています。また、研究結果から得られたことを地域の精神障害者への支援に役立て、学生への教育にも反映させています。
近視眼的でなく、先を見て地域をリードすることが大学院を卒業した者の使命だと感じています。今後の社会の動向も踏まえたうえで、アンテナを高く広い視野をもって看護基礎教育の担う役割や責任を十分に認識しなければならないと自覚しています。看護基礎教育にも多くの課題が山積してします。何のために看護があるのかを問いかけながら、今できるところから課題に取りかかる意欲や改革の精神をもって、学生に看護の素晴らしさを伝えたいと日々努力しています。

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