Postgraduate 大学院

研究科長あいさつMESSAGE

福井大学大学院医学系研究科修士課程(看護学専攻)は、2001年に創設されて以来、基礎看護学、成人看護学、災害看護学、地域看護学、老年看護学および母子看護学それぞれの専門性を保ちながらも複数の専門分野を繋いで学際的に探究することや、医学部医学科と密に連携・協働することで医学・看護学を融合させ、新しい看護の道を開拓してきました。また、「災害看護(2013年)」「がん看護(2014年)」および「老年看護(2017年)」に専門看護師教育課程(CNS)の認定を受け、高度で専門的な看護実践能力を備えたリーダーとなる人材育成にも力を入れています。
本研究科には研究に対する高い関心と意欲があり、出身学校や職種、経験年数など様々な背景や経歴の学生が在籍しています。そこに受け身の授業はなく、学生同士や教員を交えてのディスカッションを積み重ねることで、これまでの自分にはなかった多様な視点や新しい考え方が生み出され、オリジナリティあふれる研究活動へとつなげています。このアクティブで切磋琢磨を重ねる学びは、やがて大きな研究成果となって様々な可能性を導き、未来につながる看護となります。
医療・看護を取り巻く社会情勢は大きく変化し続けており、それに伴い複雑化・多様化する健康課題を的確にとらえて対応できる看護職者が求められています。看護の未来を見据え、地域における人々の生活や環境を大事にしつつ、世界でも通用するグローカル(Glocal)な看護を切り開いていくことができるよう、皆さんの研究を教員一丸となって支援します。

福井大学大学院医学系研究科 研究科長 藤枝 重治

大学院での学びについてLEARNING

医学系研究科修士課程では、本学の教育理念・目標に基づき、豊かな人間性と高い倫理観、幅広い知識と理論に基づく根拠のある技術力を有し、高度専門的看護ケア実践能力を備えた看護職のリーダーとなる人材を育成すること、また、地域保健医療福祉に貢献できる看護職および看護学を体系化・深化させる研究を遂行できる指導的役割を担う教育・研究者を養成することを目的としています。

ディプロマ・ポリシー
(学位授与の方針)

福井大学大学院医学系研究科修士課程では、本学大学院の学位授与方針及び修了後の進路等社会のニーズを踏まえ、所定の年限在籍し、体系的な教育課程により学業を修め、高度専門職業人として備えるべき以下の能力を修得した者に対し、修士(看護)の学位を授与します。

(1)高度な看護専門能力に裏打ちされた実践力と研究遂行力
(2)看護専門分野における実践的で高度な言語運用能力を備えたコミュニケーション力
(3)地域医療から世界までを視野に入れ、自ら看護課題を見つけて行動できる人間力
(4)論文課程では、専門性の高い高度な看護ケアを実践する能力、自らの知識と技術を磨く自己、研鑽能力、科学的・理論的に判断し説明する能力、医学・看護学の発展のために研究を計画・ 実行し、その成果を公表する能力
(5)専門看護師教育課程では、個人、家族および集団に対して、キュアとケアの融合による高度な看護学の知識・技術を活用して対象の治療・療養・生活過程の全般を統合・管理し、卓越した看護ケアを提供できる能力、高度な実践、教育、相談、研究、調整、倫理の6つの能力を駆使し、看護活動を創意工夫して変革できる能力

カリキュラム・ポリシー
(教育課程の編成・実施の方針)

福井大学大学院医学系研究科修士課程では、学位授与の方針で示す能力を確実に修得させるため、 以下の方針に基づいて教育課程を編成・実施します。

1.体系的な教育課程(教育課程の編成の方針)

豊かな人間性と高い倫理観、幅広い知識と理論に基づく根拠のある技術力を有し、高度専門的看護ケア実践能力を備えた看護職のリーダーとなる人材を育成し、地域保健医療福祉に貢献できる看護職および看護学を体系化・深化させる研究を遂行できる指導的役割を担う教育・研究者を養成するため「看護学専攻」に科目を編成します。

(1)論文課程では、基礎看護学、成人看護学、災害看護学、地域看護学、老年看護学および母子看護学の科目を設け、講義、演習および学位論文等の作成に必要な特別研究科目を配置します。
(2)専門看護師教育課程では、講義および演習により、各専門分野に必要な基礎的な知識・技術を修得させ、演習および実習により、エビデンスに基づく的確な判断、卓越したケア技術とキュアの知識を修得できるよう科目を配置します。

2.効果的な教育方法(教育課程における教育・学習方法に関する方針)

(1)社会人大学院生に対して教育方法の特例を適用した柔軟な授業形態や履修指導を行い、学外非常勤講師による講義を活用し、教育目標を達成するための教育指導を行います。
(2)研究の進捗状況等を発表する中間研究報告会を義務付け、研究内容や手法について、指導教員以外や学生同士での助言や検討の場を設けます。また、修士学位申請時に、学位審査を兼ねた修士論文公開発表会を行います。
(3)大学院生ごとに指導教員を置き、必要に応じて副指導教員を配置します。
(4)共通および専門の各授業科目に教科主任となる科目担当責任教員を置き、授業内容に応じて複数の担当教員により実施される授業の一貫性を担保します。

3.厳格な学修評価(学習成果の評価の方針)

(1)科目の成績評価は、「福井大学における多面的かつ厳格な成績評価のガイドライン」に沿って行います。
(2)研究成果や研究遂行に求められる能力については、修士論文審査実施要項に定められた論文内容の信頼性及び発展性等の観点から評価します。

4.改善のための教育評価

修士課程で実施する教育をより良いものとしていくため、カリキュラムや授業科目について、成果やアンケート等に基づき、随時、評価と検証を行い、継続的な改善に努めます。

医学系研究科修士課程の2つの課程COURSE

「看護学専攻」のもと、基礎看護学、成人看護学、災害看護学、地域看護学、老年看護学および母子看護学において、優れた看護学の知識と技能を修得する論文課程と、卓越した看護実践能力を修得する専門看護師(CNS)教育課程を設け、複数の大学院担当教員により体系的に教育・研究指導を行います。

論文課程

論文課程6つの教育区分
優れた看護学の知識と技能を習得

  • 基礎看護学
  • 成人看護学
  • 災害看護学
  • 地域看護学
  • 老年看護学
  • 母子看護学

専門看護師(CNS)課程

専門看護師課程(CNS)3つの分野
卓越した看護実践能力を習得

  • がん看護
  • 災害看護
  • 老年看護

※看護実務経験が5年以上あり、そのうち3年以上は
専門とする特定分野の経験であることが必要。

※なお、職業を有している等の事情により標準修業年数を超えて一定の期間にわたり、計画的に教育課程を履修する長期履修制度があります。