Nursing 看護学科

学科長あいさつMESSAGE

看護学とは、人が自分らしく健康で幸せな人生を送ることを保健・医療・福祉の視点で、科学的に実践的に支援する学問です。当学科では、看護師、保健師、助産師、看護学教育・研究者を育成します。しかし、これからの人生100年時代を生きる人々を支援するためには、従来の考え方に縛られず、柔軟な発想を持ち、多様な生き方を理解することが求められます。大学で学ぶべきことは、今ある知識と技術を習得した先の、さらにこれからどのような知識と技術が必要なのかを問い続ける力です。私たちは、学生の皆さん自身が夢みる未来を拓くために必要なあらゆる支援に尽力します。
さて近年、あらゆる分野で DX(Digital Transformation)が進められています。看護学教育や看護実践の場でも例外ではありません。人工知能やロボティクスの活用、ビッグデータ解析などによって、医療の質と効率の向上や、健康で幸福に生きる寿命の延伸が大いに期待されます。凄まじい勢いで進められる技術革新とそれらの医療への実装には、医学系、理工学系、人文社会学系などさまざまな多分野融合で力を合わせて進めることが重要です。そのようなときだからこそ、看護学はさらにいっそう「学び続けるという姿勢」「患者さんに寄り添う姿勢」が重要です。
さあ、健康科学のプロフェッショナルとして、人々の健康と幸せのプロデューサーを目指して、同じ志を持つ仲間とともに本学での学びを楽しみませんか。

福井大学医学部看護学科 学科長 四谷 淳子

医学部の理念・教育目的・人材育成目標OBJECTIVE

Philosophy医学部の理念

愛と医術で
人と社会を健やかに

真理を探究する知への愛―

それは、古代ギリシャの哲学者プラトンや医学の父ヒポクラテスが最も信頼を寄せた愛、すなわち、自分自身の「無知」を自覚し、つねに真理の側へと身を置き、それを不断に求め続けることを自らに課す、極めて厳しい愛です。私たちは、最新の医学・看護学知識や技術を学び、修練すると共に、次世代の医学・看護学を開拓する研究を推進します。

人命を尊重し人間に共感する人への愛―

それは、病に臥していようが無かろうが、日々の生活を営む人々のために自らの知識と知恵を捧げようと志す、徹底した無我の愛です。私たちはその具体的な姿を、福井藩蘭方医、笠原良策(白翁)(1809-1880)に見出します。笠原は、幕末まで死病として恐れられた天然痘の流行を食い止めるため、既存の医学や因習に囚われることなく、常に最先端の医学を探求し続けた「知への愛」の実践者であると同時に、自らの命を賭して種痘の普及と実施に尽力し、人と社会の健康に一生を捧げた人物に他なりません。私たちは、旧福井医科大学学歌に謳われた“杏林愛に芳しき”医療従事者や研究者を育成、輩出し、人と社会を健やかにする事に貢献します。

医学部の教育目的

福井大学医学部は、理念に基づき、人間形成を基盤に生命尊重を第一義とする医の心の態度を体得するとともに、世界水準の医学および看護学の知識と技能を修得し、地域社会や国際社会で活躍できる医療人および研究者を育成します。

看護学科

高い倫理観と良識ある人間性を有し、科学的根拠に基づいた看護を実践でき、知識・技能を生涯にわたり修得し続ける高度専門職業人を育成し、看護学の発展と地域社会に貢献することを目的とします。

医学部教育の人材育成目標

看護学科

  • 高い倫理観・責任感、良識ある人間性とコミュニケーション力を備えた対象者中心の看護を実践できる看護師・保健師・助産師を育成します。
  • 看護学及び関連領域の知識と技能を応用し、高度専門職業人として活躍できる看護師・保健師・助産師を育成します。
  • 地域のニーズを踏まえた看護を実践できるとともに、グローカルな視点に立ち「ふくい」の地域医療に貢献できる看護師・保健師・助産師を育成します。

福井大学医学部看護学科の4つの特徴FEATURE

POINT.01

将来への多様な選択肢

看護師免許に加えて、保健師と助産師免許を取得できます(いずれも選択制)。保健師教育では、地域にとどまらずグローバルな視野を持った教育を行っています。将来は、行政保健師や産業保健師として県・市町村や企業に就職したり、国際保健活動に協力することもできます。さらに、本学の指定する科目を履修し、保健師免許を取得した場合は、卒業後に養護教諭二種免許を申請することができます。また本学科は、福井県内で最も伝統のある助産師養成機関であり、免許を取得した卒業生は福井県内外で活躍しています。

また、本学では卒業後のステップアップとして、認定看護師の資格取得をはじめとした高度な看護を実践する看護師になるための教育課程が用意されています。各分野の専門看護師から直接指導を受けることができるなど、より実践に即した教育体制が整っています。

POINT.02

卒業までの学生支援体制

初年次から卒業までの間、学年主任をはじめとする多くの教員や、保健センター・学生総合相談室と連携して学業面や生活上の課題についてきめ細かくサポートする体制になっています。

丁寧な初年次の支援

1年次には「大学教育入門セミナー」という授業の中で、看護学生としての大学での学び方、看護学生・医療人としての基本的マナー、看護職になることへの心構えについて学んでいきます。また、高校と大学では生活スタイルや学修方法が大きく違うため、変化に戸惑い困ることがないようにアドバイザー教員、上級生(2年次生)、新入生をメンバーとする小グループを編成し、「学生支援活動」を行っています。この活動では、大学での学びを支えるとともに大学生活をスムーズに過ごせるようサポートし、専門職として生涯学び、良好な人間関係を築くために必要な能力を養います。

大学教育入門セミナー
学生支援活動

臨地実習支援

実践能力の高い医療人を育成すべく、個別相談も含めた実習指導体制になっており、附属病院での臨地実習では、臨床教員の指導を受けながら最新の医療を体験することができます。

国家試験・就職支援

3年次に「進路ハンドブック」の配布、4~5月頃に「就活準備スタートアップ講座」、2月に「就活選考対策講座」を実施しています。また、4年次には卒業研究指導担当教員と学年主任が、国家試験対策や就職活動に対する助言・指導を行い、進路懇談会の開催など、就職活動や国家試験対策を支援しています。

進路懇談会

POINT.03

学びの環境

福井大学医学図書館は24時間利用することができます。館内には287席の閲覧・学習スペースがあり、落ち着いた空間で自己学習を行うことができます。また、1年次から医学科との合同講義、3年次からは合同での実習を実施しています。学生時代から、医療現場における「チーム」での支援について学ぶことで、看護職者の専門性について意識を深めることができます。さらに、主な病院実習は、PNS※を開発した附属病院で実施しています。思いやる心を持った先輩看護師から丁寧な指導を受け、質の高い、人にやさしい看護を学ぶことができます。

※PNS(パートナーシップ・ナーシング・システム)とは、安全で質の高い看護を提供することを目的に、2人の看護師が良きパートナーとして対等な立場で互いの特性を活かし、相互に補完し協力し合って、毎日の看護ケアをはじめ委員会活動・病棟内の係の仕事に到るまで1年を通じて活動し、その成果と責任を共有する看護体制のことです。本学附属病院看護部が開発しました。

POINT.04

グローバルな視点に立った国際交流プログラム

本学では国際的に活躍できる人材育成を目指しています。看護学科では国内外の保健・医療・福祉に関心を持ち、国際的視点に基づいて健康課題を広く学ぶプログラムとして「国際看護学セミナー」、「キャリアアップ実習(英国)」、「英語教育」、「短期海外研修」の充実をはじめとした多彩な国際交流プログラムにより、国際的な支援活動や看護のあり方について学ぶ環境の充実を図っています。

キャリアアップ実習
イギリス バーミンガム私立大学保健学部
キャリアアップ実習
イギリス バーミンガム私立大学保健学部
キャリアアップ実習
イギリス レスター大学グレンフィールド病院
キャリアアップ実習
イギリス セント・クリストファー・ホスピス

沿革HISTORY

沿革
1997年4月1日 「国立大学の学科及び課程並びに講座及び学科目に関する省令の一部を改正する省令(平成9年文部省令第15号)」により医学部看護学科設置
1997年4月24日 第1回医学部看護学科入学式挙行
1997年6月23日 福井医科大学医学部看護学科開設記念式典挙行
1998年4月1日 基礎看護学、臨床看護学、地域看護学の各講座開設
1999年3月25日 看護学科棟(第Ⅰ期工事)竣工
2000年2月29日 看護学科棟(第Ⅱ期工事)竣工
2000年5月23日 福井医科大学医学部看護学科棟竣工記念式典挙行
2001年4月1日 大学院医学系研究科看護学専攻(修士課程)設置
2001年4月23日 第1回大学院医学系研究科修士課程入学式挙行
2001年10月1日 旧福井大学と旧福井医科大学が統合
2004年4月1日 国立大学法人法の施行により国立大学法人福井大学となる
2007年10月1日 看護学科創立10周年記念式典挙行
2010年7月31日 看護キャリアアアップセンター開設記念事業
2014年4月1日 CNSコース「災害看護学」、「がん看護学」新設
2018年4月1日 CNSコース「老人看護学」新設